肩関節の痛み

このページでは、『はりきゅうパンダ』にお越しいただいたお客様のお悩みを、症例別にご紹介しています。

目次

現代医学的な考え方

肩関節痛01

「肩が痛い」という身近なお悩み。

西洋医学と東洋医学それぞれの場合の原因と対処法について、ご紹介します。

外傷性

腱板損傷・関節脱臼・上腕骨骨折など

非外傷性

五十肩・石灰沈着性腱板炎・腱板炎・肩峰下滑液包炎・上腕二頭筋長頭腱炎など

よくみられる症状

・頚部や肩周辺筋からの放散痛、頚部や上肢帯からの関連痛

※心臓や胆嚢からの関連痛の可能性もある

※肩関節周辺の悪性腫瘍や、炎症性疾患が痛みの原因になっていることが稀にある

鍼灸施術

・腱板(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の炎症は、棘上筋に起こることが多い
・肩関節を動かしたときに痛みが出る部位を特定し、関連する筋や経穴を狙う

・外転で痛み:棘上筋(ペインフルアークサイン) ➡肩髃
・外旋で痛み:棘下筋・小円筋 ➡天宗
・内旋で痛み:肩甲下筋


※前方挙上で痛みは、上腕二頭筋長頭腱炎(スピードテスト)

肩関節痛03
五十肩(肩関節周囲炎)

・40~60代の老化変性を基盤として、肩関節周囲の軟部組織(筋・腱・靱帯・関節包・滑液包など)に及ぶいくつかの病態を総称する臨床的な呼び方(原因が明確でない一次性肩関節拘縮と、腱板炎などを発端とする二次性の肩関節拘縮がある)

・炎症と痛みの強い急性期と、拘縮が現れる慢性期に分けられる

・主訴は、肩関節の痛みと運動制限、慢性期には外旋障害などの拘縮症状が著明になる

東洋医学的な考え方

肩関節痛02

経絡型

・風寒湿の外邪が虚に乗じて侵入し、経絡気血の流れが悪くなり、気滞血瘀となり起こる

・気滞の段階では、運動時痛が主体で、一定範囲であれば自由に動かせることが多い

・血瘀が加わったものでは、夜間痛が著明

経筋型

・気滞血瘀のために経筋の栄養が悪くなり、運動制限が起こる

・運動制限が主体で、結帯・結髪動作すべて制限を受ける

治療法
・経絡の通りを改善し、気血の運行を促す
・手の陽明大腸経、手の太陽小腸経、手の少陽三焦経
・鍼で瀉法、灸を併用し、血行改善と瘀血の除去をはかる

参考書籍:『東洋医学臨床論(はりきゅう編)』
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