股関節の痛み

このページでは、『はりきゅうパンダ』にお越しいただいたお客様のお悩みを、症例別にご紹介しています。

股関節痛

中年以降のお悩みとしてよく聞く「股関節の痛み」。

西洋医学と東洋医学それぞれの場合の原因と対処法について、ご紹介します。

目次

変形性股関節症

・股関節の軟骨の変性、摩耗によって関節の破壊が起こる

・それに伴い、骨軟化や骨棘形成などの骨増殖が起こる

・股関節の変形と疼痛、運動制限を起こす進行性疾患

※変形性関節症は、OA(オーエー/Osteoarthritis)と呼ばれる

一次性(原因が明らかでない)

・中年以降にみられる

・老化現象と力学的ストレスが加わって発症

二次性(何らかの疾患に続発)

・若年者にもみられる(女性に多い)

・先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)・臼蓋形成不全などに続発して生じる(軽傷の場合、幼少期に治療をしていないこともあるが、加齢による軟骨変性と股関節への荷重などにより、何らかの症状が出る)

・化膿性股関節炎、ペルテス病、大腿骨頭すべり症、大腿骨頭壊死症、関節リウマチなどが先行疾患になることもある

※内反足、腰痛、内臓疾患など、股関節以外が原因で痛みが出ている可能性もある

よくみられる症状

・歩行や立ち座りなどで、股関節の痛み

・片側をひきずるなど、正常な歩行ができない

・可動域に制限がある

・トレンデレンブルグ徴候陽性(股関節外転筋力低下のため、患側立位時に健側の骨盤が下がり、肩は患側へ傾く➡歩行時に体がぎこちなく揺れる)

股関節01
診断

・関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の硬化像、骨嚢胞の出現、骨頭の変形、骨棘の形成、臼蓋形成不全、シェントン線の乱れなどが出現

治療

【保存的治療】

・股関節への負担を減らす(体重減量、杖、長時間の立位や歩行の制限)

・運動療法、温熱療法、補装具、薬

【観血的治療(手術)】

・関節裂隙が完全に消失している場合は、人工関節全置換術(THA)

・関節裂隙が残っている場合は、関節を温存する骨切り術

※ゆっくりと進行するので、保存的治療で経過観察した上で、進行度や疼痛の度合いなどをみて、手術を考えるのが原則とされている

股関節02

鍼灸施術

・血流をよくし、筋緊張を緩める
・足の少陽胆経(居髎、環跳、陽陵泉、丘墟)などを活用

参考書籍:『臨床医学各論』
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