目次
現代医学的な考え方

外傷性
腱板損傷・関節脱臼・上腕骨骨折など
非外傷性
五十肩・石灰沈着性腱板炎・腱板炎・肩峰下滑液包炎・上腕二頭筋長頭腱炎など
よくみられる症状
・頚部や肩周辺筋からの放散痛、頚部や上肢帯からの関連痛
※心臓や胆嚢からの関連痛の可能性もある
※肩関節周辺の悪性腫瘍や、炎症性疾患が痛みの原因になっていることが稀にある
治療法
・腱板(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の炎症は、棘上筋に起こることが多い
・肩関節を動かしたときに痛みが出る部位を特定し、関連する筋や経穴を狙って治療
・外転で痛み:棘上筋(ペインフルアークサイン) ➡肩髃
・外旋で痛み:棘下筋・小円筋 ➡天宗
・内旋で痛み:肩甲下筋
※前方挙上で痛みは、上腕二頭筋長頭腱炎(スピードテスト)

五十肩(肩関節周囲炎)
・40~60代の老化変性を基盤として、肩関節周囲の軟部組織(筋・腱・靱帯・関節包・滑液包など)に及ぶいくつかの病態を総称する臨床的な呼び方(原因が明確でない一次性肩関節拘縮と、腱板炎などを発端とする二次性の肩関節拘縮がある)
・炎症と痛みの強い急性期と、拘縮が現れる慢性期に分けられる
・主訴は、肩関節の痛みと運動制限、慢性期には外旋障害などの拘縮症状が著明になる
東洋医学的な考え方

経絡型
・風寒湿の外邪が虚に乗じて侵入し、経絡気血の流れが悪くなり、気滞血瘀となり起こる
・気滞の段階では、運動時痛が主体で、一定範囲であれば自由に動かせることが多い
・血瘀が加わったものでは、夜間痛が著明
経筋型
・気滞血瘀のために経筋の栄養が悪くなり、運動制限が起こる
・運動制限が主体で、結帯・結髪動作すべて制限を受ける
治療法
・経絡の通りを改善し、気血の運行を促す
・手の陽明大腸経、手の太陽小腸経、手の少陽三焦経
・鍼で瀉法、灸を併用し、血行改善と瘀血の除去をはかる


